あなたのギャップにやられています
「寒いね。帰ってふたりで暖まろうか」
「う゛……」
なんかその言葉に「エロ」という文字が見え隠れしているのは気のせいですか?
とはいえ、ここに来て良かった。
木崎君の裸の心を見られた気がする。
ものすごくドキドキさせられたのは計算外だったけど。
彼の絵は、まだ世に認められてはいないけれど、きっといつか……。
全然絵のセンスのない私だけど、彼の絵からはなにか強いメッセージを感じるから。
木崎君は会社での彼と同じように、車の中では口数が少ない。
ハンドルを握る姿に思わず見惚れる。
この人、こんなにいい男だったっけ。
ずっと一番近くにいたはずなのに、それに気がつかなかったのは、そういう意識が欠落していたからなのか、それとも……。