あなたのギャップにやられています
「でもじゃない。こんなに好きなんだから」
彼の手が私の方に伸びてくる。
「ヒャッ」
そっと私の唇に触れた彼の指の感覚に驚いて、思わず声が出る。
「ケチャップ」
雅斗は私の唇についていたケチャップを自分の指ですくい取って、ペロッと舐めた。
ちょっと止めてよ。
いちいち色気を放つのは!
完全に彼のペースに巻き込まれている。
だけど……それも悪くないかもと心のどこかで思っていて。
「あの……」
「俺、冴子のこと、いい加減な気持ちで抱いたんじゃないよ」
今度は真剣な眼差しでそう言う彼に、ドキドキしたりして。