あなたのギャップにやられています
「あっ、お仕置き」
「はっ? なんで?」
「木崎君じゃないだろ?」
「あ……」
完全に習慣になっている呼び方を変えるのは容易じゃないのに……。
それなのに……。
雅斗はテーブル越しに身を乗り出して、「チュッ」とわざと音を立ててキスを落とす。
「会社以外では木崎君は禁止。冴子、わかった?」
「は、はい」
いちいちこんな色気のあるキスをされていたのでは、身が持たない。
「で、いてくれるよね?」
と斜め上の言い方に変わった彼だけど、その真剣な眼差しに「イヤ」とは言えない。
「ずっと、大切にする」
とどめのその一言で、私はコクンと頷いた。