あなたのギャップにやられています

「冴子! 大丈夫?」


隣人を見事に追い払った雅斗が、腰を抜かした私のところに慌てて駆け寄ってくる。

そして、口をあんぐり開けたまま完全に固まってしまった私を抱き上げてベッドに運んだ。



「わ、私……」

「心配いらない。俺が、いる」

「うん」


私ひとりでずっと気がつかないでいたら、どうなっちゃったかわからない。

今まではお隣さんだからって、なんの警戒もなくドアを開けていたし、愛想よく振舞っていた。


近頃、ストーカーの事件だってよくあるし、ましてや隣に住んでいるんだよ?

隣人を好きになるとかってなくはない。
それはそれでロマンチックな出会いだけれど……勝手に人の生活をのぞき見するなんて、考えられない。

ちゅーか、犯罪よ!


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