あなたのギャップにやられています
「お仕置き」
「えっ?」
「また木崎って呼んだ」
雅斗は彼の胸に顔を埋めていた私を引き離して、すぐさま優しいキスを落とす。
そして、彼の唾液で濡れた唇に、彼が長い指を置いた。
「この唇は、もう俺のもの。誰にも渡さない」
「雅斗……」
「どんな冴子だって、俺は好きだよ」
そう言いながらもう一度近づいてくる彼の首の後ろに手をまわして、ゆっくり唇を重ねた。
危うくそういう雰囲気になりそうなのを振り切って、彼を寝室から追いやると、なんだか気が抜ける。
「それじゃ、ちょっと行ってくる」
「うん。ごめんね」
「お安い御用」
片付けは自分でやるから、夕食を作ってほしいと思い切って頼んだら、彼はにっこり笑いながらふたつ返事だった。