あなたのギャップにやられています
引っ越しの片付けは思ったより大変だった。
前回の引っ越しから随分時間がたっているせいか、いらないものが意外とたくさんあって。
「あっ……」
雅斗に前に貸した元彼のTシャツが出てきてしまったとき、まずいと思って慌てて引き出しに戻した。
けれど、それを目ざとく見つけた雅斗は、ニヤッと笑ってTシャツを私の手から奪い取る。
「へぇー、随分大切にしてるんだな」
「や、これは……」
「こんなに大切にしてもらうと、男も本望だな」
「ち、違うよ。たまたま捨て忘れて……」
だってあんな裏切り男……。
「お仕置き」
そう言う雅斗は、私の顎を持ち上げてキスを落とす。