あなたのギャップにやられています

「僕も楽しかったです。
冴子さんの手が入ると、こうパキッとするっていうか」


雅斗のデザインは、どちらかと言うと抽象的なイメージのものが多い。

それはそれで素敵なのだけれど、パッケージとしての役割は、とにかくお客様が手に取ってくれることにつきる。

だから雅斗のデザインに少し手を加えて、パッケージとして目立つようしなくてはならないのだけれど、それをふたりで相談し改善するのだ。


「だけど……木崎君の絵を殺してないか心配」

「まさか。
僕……絵を描くのは好きですけど、やっぱりそのままじゃ商品にはならないから、こうやって冴子さんにアドバイスをもらってやっと一人前なんです」


どSな雅斗は鳴りを潜めて、いつもの彼に戻っている。
このギャップ、信じられない。

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