あなたのギャップにやられています

「お世話になります。木崎です」


それは予想通り深谷さんからだった。
雅斗に小さくうなずいて見せると、彼は私の方に椅子ごと寄ってくる。


「はい、はい……ありがとうございます!」


それは最大の誉め言葉つきの採用通知。


「すみません、もうひとりの木崎に代わってもいいですか?」


雅斗にもその言葉を聞かせてあげたかったから。

私から受話器を受け取った雅斗が、すごく素敵な笑顔をしているから、うれしくなる。


『やっぱり木崎コンビは最強でした。
他にも候補はありましたが、全く他を寄せ付けず満場一致でそちらのデザインに決まりました』


そんな深谷さんの言葉は、きっと一生忘れられない。

< 169 / 672 >

この作品をシェア

pagetop