あなたのギャップにやられています
基本、内勤業務の多い私たちは、スーツを着て出社はするけれど、社内ではジャケットを脱いでいることが多い。
だから、こんな姿も新鮮に感じる。


「深谷さんのところに採用のお礼と打ち合わせに行きます。冴子さんも来てくれますか?」

「えっ……私は……」

「ダメですよ。僕だけじゃ、しくじるから。
冴子さんにもいてほしいです。ついでにお祝いランチもしましょう」

「うん」


こんな甘えんぼキャラの彼は、昨日私を抱いた彼とは別人だ。

や、止めてよ。
そのギャップに萌えるじゃない!


そして雅斗は、さりげなく私の腰を抱いた。
それはほんの何秒かのことだったけど、激しく心臓が高鳴るのがわかる。

まずい、完全に彼のペースだ。


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