あなたのギャップにやられています
会社にいるときなら「どうします?」なんて聞いてくるくせに、私の手を引いて勝手にレストランに入る。

ちょっと男を感じるその行為に、またキュンとするバカな私。
意外とこういう強引な感じに弱かったりして。



「冴子、なににする?」

「うーんと……」

「ここ、ランチがお得」

「じゃあ……」


ランチといってもCランチまで3つもある。
唐揚げも食べたいし、和風おろしハンバーグも捨てがたい。むむ……。


「すみません」


私がまだ悩んでいるのに、店員さんを呼んでしまう彼に焦る。


「AとCで」

「かしこまりました」


えっ……。

唐揚げ定食と和風ハンバーグ定食。
勝手にそのふたつを注文した雅斗に驚いて思わず顔を見つめると、当然でしょ? みたいなドヤ顔をしている。


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