あなたのギャップにやられています
アポイントの15分前に深谷さんの会社に到着すると、その大きさに圧倒されて一瞬たじろぐ。
「ここ、なの?」
「うんうん。一度だけ来たことがあるけど、そんときはビビったよ」
雅斗はそんなことを言いつつ、余裕の顔で玄関へと足を進める。
いつもは肩を並べて歩くから気がつかなかったけれど、雅斗ってこんなに肩幅あったっけ? なんて新鮮な気持ちになる。
「イーイマージュ木崎と申します。室長の深谷さんにアポイントがあります」
会社での雅斗とは違い、キリリとした雰囲気で名刺を差し出す。
彼に圧倒されて、私はただの付き人になってしまっている。
すぐに通されて向かった部屋は、小さな会議室だった。