あなたのギャップにやられています

「木崎さんもご存じでしたか」

「あっ、はい。会議でご一緒したことが。
片桐さんとふたりで準備をしたことがあるんです。
奥様、片桐さんなんですね」

「えぇ、まあ」


照れくさそうにしている深谷さんは、いつもとは違う優しい顔。


「元気にしていますよ」


深谷さんがそう言ったときの顔で、本当に素敵な恋をしているのだとなんとなく思った。


雅斗が私にプレゼントを選ばせたのは、片桐さんへの心遣いだったようだ。


「おぉ、こんなことまでしてもらって申し訳ない。彼女も喜びます」

「いえいえ、私たちも幸せのお裾分けを頂いた気分ですから」


やっぱり気がつく男。
雅斗を嫁にしたらきっと最高だと再確認した。

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