あなたのギャップにやられています

「あーぁ、ホントに素敵。深谷さん、幸せそうだったね」

帰り道、そんなことをふと漏らすと、雅斗が眉間にシワをよせる。


「冴子は幸せじゃないの?」

「え」

「俺はスゲー幸せだけど」


そう言いながら私の手を取る。


あぁ、もしかしたらすごく幸せなのかもしれない。
愛されてるって感じられるこの瞬間が。

なにも言わずににっこり笑って彼の手を握りかえすと、満足そうに微笑んだ雅斗は私を自分の方に引き寄せる。


「キスはお預けだよ」


ね、ねだったりしてないわよ!


「しょうがないなぁ、冴子は」


勝手に話を進めている雅斗に、思わず顔を赤らめる。
私……言葉攻めに結構弱いかも。


< 185 / 672 >

この作品をシェア

pagetop