あなたのギャップにやられています

「ただいま戻りました」


あんな会話がなかったかのように、私たちは会社に帰った。
私はまだドキドキしているのに、雅斗は素知らぬ顔をしている。


「冴子さん」

「えっ、はい」

「すみませんが、ここの色、他にないですか?」


あんた、変わりすぎよ! という突っ込みができるはずもなく、従順なかわいい同僚に戻った雅斗にいつものクールな顔をして答える。


「わかった。ちょっと候補を探してみる」

「よろしくお願いします」


全く調子が狂うよ。
ふたりの時のあのSぶりは、一体どこに隠したんだろう?

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