あなたのギャップにやられています

「これだって、冴子がいなくちゃできない仕事だ。
デザインの基は俺が描いているかもしれないけど、そこから発展させるのにどれだけ冴子の意見が役に立っているか。

さっきの色指定だって、冴子の提案があったから想像していたものよりずっと柔らかい雰囲気ができただろ?  
アレは完璧に冴子のお手柄。
俺だけじゃ産み出せなかった作品だ」


私は雅斗から視線を逸らして、小さくうなずいた。


「なんだ、納得できないって顔だな」

「えっ……そんなこと」


"ない"ときっぱり言えない。

あの作品のわずかな色の違いなんて、作品全体からしたらほんの些細なことだ。
やっぱり、才能のある雅斗とは違うって。

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