あなたのギャップにやられています

「おぉっ。冴子のご飯!」


トーストとベーコンエッグとレタスのサラダだけに、そんなに目を輝かせないでよ。
どうせ私は料理下手よ。


「コーヒー淹れとくから、顔洗ってきて」

「はーい」


雅斗って意外と素直だよね。
そんなことを考えるとなんだかおかしくて、クスッと笑ってしまう。


「できた?」

「あっ、うん。今……」


持っていくねと言おうとした私の言葉を遮ったのは、雅斗の唇だった。


「ち、ちょっと」


「おはようのチュー」


悪びれる様子もなく当然でしょ? という顔で私の手からコーヒーを奪っていく。


「もう!」


怒る振りをしたけれど、不意打ちのキスが嬉しかったのは内緒だ。


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