あなたのギャップにやられています

「今日、リアンに行ってきちゃった。唐揚げ美味しかった」

「だろー、あそこの料理はどれも……じゃなくて、百合ちゃんって、冴子」

「百合ちゃんが、雅斗に抱いてもら……んん」


思いっきり私の口を手で塞いだ雅斗は、「それ以上は」と焦りまくっている。


やったー、ちょっと弱味を握った気分。
でも……。


「へぇー、冴子は俺が別の女を抱いても平気なんだ」

「あ……」


いや、百合ちゃんは女じゃないしっ。
心は女か。ん、どっち?


「へぇー」


私の首の下から腕を抜きながら少し怒った顔をする雅斗は、私に背を向けてしまった。

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