あなたのギャップにやられています
ゆっくり離れて行った雅斗は、私の頬を両手で包み込んで視線を逸らさない。
「やっと手に入ったんだ」
「えっ?」
「百合なんかに邪魔されてたまるか!」
「プッ」
思わず吹き出してしまったけれど、『やっと』と言ったくれた雅斗のことが、すごく愛おしい。
「あのね」
「うん」
「たくさん絵を見せてもらったの。それで……」
「あれ、見たのか?」
私は小さく頷いた。
雅斗は全部言わなくても気がついてしまうらしい。
なんだろう。
どんな能力をお持ちで……。
「私、だよね」
「そうだな」
少し照れたような顔をした彼は、ほんの少しだけ口角をあげて、再び私を見つめる。