あなたのギャップにやられています
「片思いの彼女」
「ん?」
「今は、両想いの彼女」
雅斗のそんな言葉がなんだかすごくうれしくて、ニヤけてしまう。
「それで、絵を見た後、無性にあの丘に行きたくなって」
「冴子、まさか!」
「ん?」
「ひとりで行ったんじゃないだろうな」
えっ……もちろんひとりですけど?
百合ちゃんと行けばよかったとか?
でも、百合ちゃんと肩を並べて夜景を眺めるのもなぁ。
そんなことを悶々と考えていると、突然上半身を起き上がらせた彼は、私を見下ろした。
やめて―。布団を剥がないで。
まだ真っ裸なんだから。