あなたのギャップにやられています
もう、呆れられちゃったよね、私。
顔を手で覆って泣きじゃくっていると、ふわりと布団が掛けられた。
「冴子、言い過ぎた。ごめん」
違うの。明らかに私が悪いの。
「でも、心配なんだ」
私を腕の中に誘った彼は、強く抱きしめてくれた。
「雅斗……もう呆れてるよね」
「呆れてるよ。
でも、うれしかった。冴子があの丘を気に入ってくれて。
星に会いたかったなんて、冴子らしくて」
彼はゆっくり私の髪を梳きながら、もう一度口を開いた。
「好きなんだ。冴子を危険な目にあわせたくない」
「雅斗……」
彼の言うとおり、無防備かもしれない。
酷い失恋はしたけれど、危ない目にあったことなんてないし、自立した女を装っていた私は、まさか自分がなんてどこかで思っていたから。
でもきっと、本当に危ない目にあったら、自力ではどうにもならないはずだ。