あなたのギャップにやられています

vs ゴリラ


それから慌ただしい日が続いた。

深谷さんのところの商品化が本格的に決まって、営業部と最終的な詰めに入る。


「これ、困ります。微妙に色が違います」


上がってきたサンプルを見て、珍しく雅斗が怒りの声をあげる。
普段はおっとり顔の彼だけど、デザインについての妥協は一切ない。


「これ、最初に指定したインクと、違いますね?」


インクには高いものも安いものもある。
微妙な色の違いはあるものの、さほど気にならないことも多い。

だけど、雅斗のデザインは微妙な色使いが決め手になっていることも多く、ここのインクを使ってほしいと指定することもあった。


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