あなたのギャップにやられています
そして、その言葉にいち早く反応したのは雅斗だった。
「彼女はアシスタントじゃない。デザイン部の大事な戦力だ。
話しにならない。僕が自分で話をつけにいきます。
今から工場に行って、インクを変更してもらいます。
冴子さん、付き合ってください」
「えっ……うん」
すぐにジャケットを持って立ち上がった雅斗に、慌ててついていく。
そのまま会社を飛び出した雅斗は、ふと立ち止まって天を仰いだ。
「冴子、世の中の人全員に理解してもらわなくたっていいんだ。
たったひとりでも……」
「わかってる」
それはきっと、私のために口にした言葉だ。