あなたのギャップにやられています

雅斗はそのまま私の頭の横に両手をついて、じっと私を見下ろしている。


「やめてよ。こんな不細工な顔、見ないで」


私が顔をそむけると、やっぱり手が伸びてきて顔を正面に向けられる。


「不細工なんかじゃないよ。俺は冴子が好きなんだよ? 
マスカラ取れてる冴子は嫌だなんてわけないこと、わかってるだろ?」


そう。わかってるよ、もちろん。
雅斗がこんなことくらいで揺らいだりしないこと。

元彼ならわかんないけど……。


「もう! シャワー浴びてくる」


そんなことを考えていると途端に恥ずかしくなって、雅斗を押しのけてバスルームへと走った。

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