あなたのギャップにやられています
思いっきり蛇口をひねってシャワーを出すと、水滴が心地よい圧力で肌を刺激する。
私はどうして泣いたのだろう。
昼間、ゴリラに嫌味を言われたときは、涙なんて少しも出てこなかったのに。
もしかして……雅斗がいるから?
雅斗なら全部受け止めてくれるって、わかっていたから?
いつの間にかこんなに私の心の中まで入ってきている雅斗に驚く。
そして彼は、いつの間にか、かけがえのない人に昇格している。
雅斗を意識し初めて、まだ間もないというのに。
もう男に依存しないって、元彼に裏切られたときに決心したのに、雅斗にどっぷり浸かっている。
だけど、この精神的な依存は、元彼のときとは種類が違う気がするのだ。
なにもかもあなたのためになんてこと、全くないもの。