あなたのギャップにやられています

「もう、許可なく止めてよ!」

「ごめん、ごめん」

「でも、うれしい」


本当はすごく嬉しかった。
すごくすごく嬉しかった。

だって、自分をこんなに素敵に描いてもらえて、嫌な人なんてきっといない。


「あのさ」

「ん?」

「今度ヌード描かせてよ。わっ!」


雅斗の言葉と共に、怒りの鉄拳が飛ぶ。
調子に乗るんじゃないわよ!


「もう、朝御飯作りなさいよね」

「は、はいっ」


焦る雅斗を心の中で笑いながら、洗面所に向かった。


顔を洗って身だしなみを整え、再びリビングに向かうと、テーブルにオムレツが並べられていた。


「うわ、美味しそ」


やっぱり私が作るより、ずっとすごいわ。

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