あなたのギャップにやられています
一旦全部食べると決めたら、あっという間だった。
明らかに食べ過ぎたけれど、運動すればいいや。
運動するあてなんて、少しもないけどさ……。
作ってくれた雅斗に代わって、今度は私が片付けを始めた。
「俺も」
「いいよ、雅斗は。用意してきて?」
そんなことを言っても聞くはずがなく、雅斗は並んで皿を洗い始めた。
「雅斗、休んでてよ。疲れてるから」
「冴子!」
突然の大きな声に驚くと、彼は泡だらけの手を宙に舞わせたまま私を見つめる。
「やっぱいい。同棲サイコー」
「ん?」
「誰かに気遣ってもらうなんて、あんまりできない経験じゃん」