あなたのギャップにやられています

「木崎君、ちょっと困った。あのね……」


一旦仕事になると、恋人から同じ目標を持つパートナーへと変わる。


「冴子さん。ここの色、こっちの方が良い気がします」

「うん。だけど、クレヨンの感じを出したいのよね。
そうするとインパクトがどうかなぁ」


雅斗との仕事は本当に楽しい。

ふたりで知恵を絞って、どんどんひとつの作品としての完成形に近づくのが嬉しくてたまらない。


だけど……。


「お邪魔します」


高揚していた私の気持ちを落としたのは、営業部のゴリラだった。


< 283 / 672 >

この作品をシェア

pagetop