あなたのギャップにやられています

「昨日、デザイン部のある方が、えらいことをしてくれましてね」


ゴリラは出張帰りの部長を待ち構えていたのか、大きな鞄を下げて出張先からそのまま出社してきた部長と共にやって来た。

お前はチクリ魔かよ。


「それは私のことですか」


デザインに没頭していた雅斗が、すっと立ち上がって部長の席まで歩いていく。


部長はとても穏やかな人で、私たちの仕事にあまり注文は付けてこない。
それだけ信頼されているのだと勝手に解釈しているのだけれど、その分期待を裏切らないようにと必死だった。


そんな部長だけど、今回の件はどう言うだろう。

昨日は遅くまで得意先と打ち合わせで、連絡が取れなかったのだ。


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