あなたのギャップにやられています

ドキドキした。昨日の雅斗はすごくかっこよくて、深谷さんのおかげでダメになるかもしれないと覚悟した契約だって失わずにすんだ。

だけど、もしかしたら大きな契約を自分から手放すことも有り得たのだ。


「木崎、どういうことだ」


部長が眉間にしわをよせて雅斗に問いかける。


「昨日、営業の方でインクの変更を勝手にされまして、元に戻して欲しいとお願いしたのですが……」


雅斗は、昨日の出来事を正直に部長に報告している。


「うーん」


部長のうなりごえが耳に届いた。

その間もゴリラは勝ち誇ったような顔を崩さず、全面的に自分が正しいと思っているのがわかった。


しっかし、ドヤ顔しても、ゴリラだよね、うん。

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