あなたのギャップにやられています
「木崎、深谷さんはなんと?」
「はい。
私としては納得できない商品を提案できないから下ろして欲しいと言いました。
そうしたら、深谷さんが営業に直談判してくれて」
「あはは。流石だな、あの人は」
「部長、ご存じなんですか?」
「あぁ、ちょっと一緒に仕事をしたことがあってな」
なにかを思い出したように笑う部長は、私に目を向けた。
「冴子、お前はよくやっているよ」
「えっ?」
「木崎の言う通り、大切な戦力だ。で、これも頼むな?」
クスッと笑いながら新たな仕事の企画書を私に手渡した部長は、出張の間に山積みになっていた書類に手を伸ばした。