あなたのギャップにやられています

驚いた。

部長は他の人とは違って、私のことを邪魔だとは言わない。
彼も、元々デザイン畑の人ではないから。

だけど、こうやってはっきり庇ってくれたのは、初めてだった。


「冴子さん」

「あっ、うん」


唖然としている私の手から企画書をスルッと奪っていった雅斗は、すごく優しい顔で笑って、私を席に促した。



“ありがと。”


たった一言だったけど、その中に含まれる私の感謝とか嬉しさとか全部、きっと伝わるはずだと雅斗に社内メールを送る。



“どういたしまして。部長にもってかれた。”


そんな返事がすぐに返ってきて、思わずクスッと笑ってしまった。