あなたのギャップにやられています

すべてのプレゼンが終わって会議室を出ると、雅斗がさりげなく隣にやって来きた。


「ごめん、私……余計なことした」

「いや、嬉しかったよ。でも……」


雅斗が不安そうな顔を私に向ける。
それはそうだ。ヘビ男に啖呵切っちゃったもん。


「私、思い付いたの。手伝ってくれる?」

「もちろんさ」


雅斗となら、困難なこともきっと乗り越えられる。
彼の存在が私に勇気をくれるのだ。



デザイン部に帰ると、戸塚部長が私を呼んでいる。


「冴子、任せたぞ?」

「はい」


嬉しかった。
こんな私のことを信頼して任せてくれる部長に、頭が下がる。


あの時、もしかしたら部長が反論してくれた方が効果があったかもしれない。
だけど、あえて私に任せてくれた気がしているのだ。


見ていてください。
ヘビ男には負けませんっ!

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