あなたのギャップにやられています

シャワーを浴びたはずなのに、ふたりとも汗だくだ。
すごく疲れているはずなのに、疲労感すら心地よいから不思議だ。


「雅斗」

「ん?」

「やっぱりいい」


なんだかすごく"好きなの"って伝えたくなったけれど、やっぱり恥ずかしい。


「ヤッ」

「俺に隠し事?」


そう言いながら再び私の胸をつかむから思わず声が出てしまう。


「そんなんじゃ……」

「冴子、好き」


不意打ちにそんなこと言わないで。

私も、大好き。
私をきちんと見てくれるあなたが。


「雅斗、大好き」


私は彼につられるように思い切って口にした。
だけど、私の顔を覗き込む彼が優しく笑うから、すごく恥ずかしくなってしまって、思わず彼にしがみついて顔を隠した。

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