あなたのギャップにやられています
「冴子さん、あのっ……」
「あとは任せといて。行ってらっしゃい」
多分私に気を使っている雅斗にそう声をかけると、「すみません」なんてしおらしく謝ったりして。
こうやって雅斗と全く別の場所で別の仕事って、そういえばあまりない。
しかも、出張なんていうのは初めてのことだ。
だけどこの態度、ベッドの中のあなたとは全然違うし。
それでも、あんな獣の姿を知っているのは私だけなのよねなんて考えると、胸がキューンとする。
ダメダメダメ。完全に雅斗にやられてる。
でも、出張、か。
ちょっと寂しい。
雅斗と同棲する前はおひとりさま最高! なんて思ってたのに、今はひとりになるのが不安だ。