あなたのギャップにやられています
「オムレツだろ? シャワーいっといで」
「あっ、うん」
せめて出張の前くらいと思ったけれど、私には無理らしい。
そんなことに少しへこみつつシャワーに向かうと、「丁度オムレツ食いたかったんだ」なんてすごい速さでみじん切りをしているだろう包丁の音と雅斗の声が聞こえる。
やっぱり気がつく男、木崎雅斗。
あんたを嫁にしたいよ。
私がシャワーを済ませて化粧をしてからリビングに行くと、もうテーブルにはオムレツとトーストが並んでいて、雅斗がコーヒーを淹れていた。
はぁ、また出番なしだった。
「あはは、へこまない。
俺、冴子が美味しそうに食べてくれるとすごく嬉しいから」