あなたのギャップにやられています
「雅斗、出張頑張ってね」
「あぁ。梶田(かじた)さんも来るらしいから俺の作品も持っていって見てもらえって、部長が」
「ほんとに?」
梶田さんはこの業界では有名な人で、海外でも人気のあるデザイナーだ。
すごく鮮やかで斬新な彼の作品は、もはや一流の芸術品だ。
世に出ている商品も数えきれない。
もしかしたら雅斗も認められないかしら。
なんて、ちょっとウキウキする反面、そうしたら雅斗は別世界の人になってしまいそうで少し怖い。
いや、でも彼が認められるのが私の夢だし。
しばらく会えないからなんて、口紅を塗ったばかりの私の唇を強引に奪うから、雅斗にもベットリついてしまっている。