あなたのギャップにやられています

「昨日はここにありましたよね」


あのテーブルを指差して近づいてきたゴリラは、私の顔をチラッと見た。


「さっき片付けたときには、ありませんでした」


私がそう言うとゴリラは「ふーん、木崎さんが片付けたんだ」となんだか嫌味の入った言葉を口にした。

それでもそれを無視して探していると、「あんたがなくしたんじゃないの?」と私のそばまでやって来て暴言を吐く。


てめー!
それはこっちの台詞だ。


ムカムカする気持ちをなんとか押さえて、それでも探し続ける。


「やっぱり無能な人間っていうのは、なんにもできないね」


その言葉でブチッとなにかが切れてしまった。

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