あなたのギャップにやられています
カツ丼食べたら……
家に帰ると、真っ先に雅斗がアトリエにしている部屋に向かう。
几帳面な彼には珍しく少し散らかったこの部屋には、雅斗の魂がこもっている。
乱雑に積み重ねられた何枚かの絵を、次々と手にとって眺める。
月夜の晩が多い彼の絵は、どれも幻想的だ。
月だって、輝ける。
太陽じゃなくたって。
ずっとそう思ってきた。
だけど……やっぱり無理なのかな?
そんなことを考えると勝手に涙が溢れてくる。
自分の才能のなさ。
それを雅斗のサポートにつくことで、ごまかしてきた。
雅斗はそれでも私の居場所を作ってくれたし、パートナーとして尊重してくれて、私だってきっと必要なんだと思わせてくれた。
だけど……本当にそうなのかな。