あなたのギャップにやられています
涙が頬を伝って床に落ちる。
彼の思い描いている私は、本当の私とはきっと違う。
会社での雅斗と、プライベートな雅斗が違うように、彼の心の中に住む私と、本当の私とは……。
その絵を抱き締めたまま座り込む。
私、どうしたらいい?
雅斗の才能をこうして見せつけられて、私の中の嫉妬の塊がドンドン大きくなっていく。
こんなに黒い自分に気がついてもなお、彼のそばにいたいなんて身勝手なの?
気がつくとそのまま眠っていた。
ふと目が覚めたときは、まだ真夜中で。
開きっぱなしになっていた窓からは、雲ひとつかかっていない三日月が見えた。