あなたのギャップにやられています
綺麗になりたい。
私の中から黒い感情をすべて削ぎ落として、天使のような存在になりたい。
そんなことを悶々と考えていると、疲れすぎていたのか現実逃避か、再び睡魔が襲ってきて、壁にもたれて座ったまま眠ってしまった。
隣に置きっぱなしにしておいたカバンの中のスマホがけたたましく鳴って目覚めると、それは雅斗からだった。
「冴子、おはよ」
「おはよ」
「寝てただろー」
クスクス笑う雅斗が、いつもの彼となんら変わりなくて、少し安心する。
「冴子、朝御飯食べろよ」
「あ、うん」
「コンビニ行こうとか思ってる?」
「えへへ、バレタ」
他愛もない会話が嬉しい。
とことん落ちた後の私には。