あなたのギャップにやられています

コンビニに寄ってはみたものの全く食欲がなくて、結局コーヒーだけ買った私はそれを持ったままデザイン部に入る。


「おはようございます」


いつもより少し遅めの出社。
もう数人が来ていてざわついていたフロアが、一瞬静まった気がする。


「おはよ」


なぜだか皆の視線が集まったような?


「冴子」

「はい」


自分のデスクにバッグを置くと、すぐに部長に呼ばれた。


「ちょっと会議室」

「えっ? はい」


私が単独で部長に呼ばれるなんて珍しい。


「失礼します」


部長に続いて無駄に広いその部屋に足を踏み入れると、難しい顔をした部長は私に椅子を勧めた。


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