あなたのギャップにやられています
汗だくになりながら互いを求めあった私たちは、まだ激しい息遣いを隠すことなくベッドに横たわった。
勝手に溢れてくる涙を隠そうとして、さりげなく腕で目を覆ったけれど、雅斗の前ではそんなの全く無意味だ。
私の首の下に腕を入れ腕枕をしてくれた彼は、そのまま私を引き寄せて抱き締めてくれる。
そして、雅斗の胸に頬をくっつけた私が落ち着くまで待ってくれた。
「雅斗、ごめん」
「なにが?」
雅斗は私の髪に手を入れて優しく梳いてくれる。
「俺のほうこそ、ごめん」
「どうして?」
「冴子を守れないなんて、俺」
違うよ。
それは私が望んだことだ。
私が止めなければきっと彼は、自分のことなんてなにも考えずに人事や営業に乗り込んだに違いない。
本当の彼は、そういう熱さのある人だもの。