あなたのギャップにやられています

「ねぇ?」


なんとか落ち着こうと椅子に座った私に、木崎君はやっぱり色っぽさ全開の声を向ける。

そして彼はテーブル越しに無駄に長い手を差し出して、私の頬に触れる。
それだけで全身に電流が走るのは、さっきの優しいキスのせいだ。


「き、嫌いじゃないよ」

「じゃあ、好きなんだ」


えっ……二択なの?


「うんと……まぁ。でも……」


恋愛の好きとは違うかもなんて言おうとしたのに言えなかったのは、さらに身を乗り出してきた彼に唇を塞がれたからだ。



「大切にする。ずっと」


ゆっくり私から離れてにっこり笑った木崎君は、そう言い放った。

もう決まったの?
付き合うって、決まったの?


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