あなたのギャップにやられています
「シャワーする?」
「ん……」
休日の今日は、眠れなかったせいもあって、時計を見るともう9時を過ぎていた。
だけど、なんとなくベッドから出たくない。
このままこうしていたい。
返事を渋っていると、きっとそれに気がついた彼は私に腕枕をして、そのまま横たわっていた。
「腕、しびれない?」
「あー、首の下ならOK」
そんなテクニック、どこで身に着けたのよ! なんてちょっと嫉妬したりして。
「しばらくこうしていてもいい?」
「んーダメ」
「ダメなのっ?」
「うん」
てっきり「いいよ」と言われると思っていた私は、思わず大きな声が出る。
「ケチー」
「だって息子さんがさー」
「あ……」
肉食獣、木崎雅斗が本領発揮?
「ちょっとー」
慌てて彼から離れようとしたけれど、首の下にスタンバイしてあった手が巻き付くように私を引き寄せる。