あなたのギャップにやられています
「とりあえず、明日デートね。
あと、この部屋はお引越し。隣のストーカー君が心配だし。
そうだな、俺の部屋においでよ。一部屋空いてるから。
あ、別に同じ部屋でいいか。どうせヤるんだし」
なにを? なんて子供みたいなことは聞きません。
大人の男と女が同じ部屋でヤることなんて……。
小刻みに首を振って拒否しても、どうもその辺は無視らしく。
「引っ越すまでは俺がここに泊まるか、冴子が俺の部屋に来るかだな。
引っ越し屋をすぐに手配しよう。少しずつ準備して?」
ずっと決断力不足だと思ってきた彼の意外なほどの行動力に、圧倒される。
会社じゃ、こんなにズバッと物事を決める彼を見たことがないもの。
でも……決断力がないのも困るけど、ありすぎるのもどうなんだろう。