あなたのギャップにやられています
「焼けそうだな」
「日焼け止め塗ってきたもんね」
「冴子だけズルいじゃないか」
そんなことを言うけれど、雅斗は当然日焼けなんて気にしていない。
会社では未だ草食の香りのする彼は、もう少し焼いた方が本来の彼に近づく気がする。
「ほら、手を貸して?」
当然舗装されていない小道には石がゴロゴロしていて、よろける私に彼が手を差し出す。
「わっ……」
差し出された雅斗の手を思いっきり引っ張ると、彼まで一緒によろけるから笑ってしまった。
「冴子、わざとだなー」
「あはは」
「それなら」
と言った彼は、マッチョな腕一本で私を引き寄せて、ニヤリと笑う。
この笑い、とっても嫌な予感がするぞ?
「冴子は俺から逃れられないの。よーく覚えておいて」
ガッチリ握られた手にさらに力がこもったかと思うと、キスが降ってきた。