あなたのギャップにやられています
「あー楽しかった」
丘の景色の美しさと、さわやかな若葉の匂いと……五感を揺さぶられて幸せな気分に浸った私たちは、ふたりで部屋に戻ってきた。
「でも、疲れたー」
すごく楽しかった。だけど、疲れた。
ゴリラのボディブローがなかなか効いているらしい。
「冴子、ばーさんかよ」
「あはは」
なんだか体力ないなぁ。
ろくなスポーツもしてないから仕方ないか。
それに比べて雅斗は、少しも疲れた様子がない。
昔トライアスロンをしてたとはいえ、今はなにもしていないのに。
それとも秘密のトレーニング、積んでたりする?
「雅斗って筋肉衰えないよね」
「だって日々鍛えてるから」
「鍛えてる?」
「おぉ。エッチの時に冴子を抱き上げたり、激しく……イテッ」
雅斗の頭をコツンと叩くと、痛がりながらも私の肩を捕まえるから慌てて逃げる。