あなたのギャップにやられています
隠れマッチョ
「とりあえず、今日は泊まるから。あー、着替えがないなぁ」
「そうだよ。今日は……帰った……」
「ま、裸でもいいか」
よくないし!
全然よくないしっ!
彼は人の意見なんてまるでなにも聞こえなかったかのように、「シャワー借りる」と勝手に私のテリトリーに入ってくる。
「ちょっと、木崎君!」
「なにー? 汗かいたから」
「そうじゃなくて……」
だけど、なんとなくそのペースに巻き込まれて、気が付けば素直にタオルを用意して、彼が脱いだものを洗濯し始めている。
これじゃあ、同期といえど私の後をついてくるようなイメージだった彼に、完全に支配されているような……。