あなたのギャップにやられています

彼はほどよいこげ具合のホットケーキをあっという間に作り上げ、チョコレートシロップで……。


「これ……」

「当店のサービスでございます」


彼がホットケーキに描いたのは、おそらく私の横顔だ。
すごく簡略してあるのに、私だとわかるのがすごい。


「はい、アイス係」

「よし来た」


結局アイスを添えただけの私は、手についたアイスをペロッと舐めた。



「お昼寝するー」


満腹になったところで私がそう言いだしたのは、やっぱり雅斗にひとりの時間をあげたかったから。


「そんじゃあ、とりあえずヤッて……」

「無理。もう寝る!」


想像通りの言葉が返ってきたのを素早く却下して、ヘトヘトな振りをしながら寝室に入った。


「なんだ。つまんない」


そうふて腐れる雅斗の声が聞こえたけれど、ここは聞こえない振りだ。
彼は一度筆を持てば、回りの雑音をシャットダウンして没頭するはず。

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