あなたのギャップにやられています
布団をかぶって目を閉じると、すぐにドアが開く音がして雅斗が入ってきた。
エロイことしたら殴る、殴る……。
そんな呪文を唱えていると、すごく近くで彼の息を感じる。
「もう、寝たのか」
一言そう呟いた彼は、私の髪を優しく撫でた。
「疲れたよな。冴子、我慢しすぎ。もっと泣いたっていいんだぞ」
彼のそんな言葉に思わず泣きそうになりながら、一層ギュッと目を閉じた。
目を閉じていると本当に眠ってしまったようだ。
ふと時計を見ると、もう6時だ。
慌てて飛び起きたけれど物音ひとつしない。
ひとりの時は当たり前だったのに、今はひどく寂しい。
リビングに顔を出しても雅斗の姿はない。
やっぱりあの部屋だ。
私はもう一度廊下に出て、一番奥のアトリエになっている部屋に向かった。